交通事故後の膝の手術後、正座はできるようになるのか？

結論:

手術の種類やリハビリの進捗、個々の回復力によって異なりますが、多くの場合、完全に正座ができるようになるのは難しいことがあります。ただし、適切な治療とリハビリを続けることで、ある程度の可動域を取り戻せる可能性があります。

1. 膝の手術の種類と正座の可否

手術の種類によって、正座ができる可能性が変わります。

① 半月板損傷の手術（部分切除・縫合術）

• 正座の可否: 可能になることが多いが、違和感が残ることも
• 回復期間: 約3〜6か月
• ポイント: 半月板の縫合術を行った場合、正座をすることで再断裂のリスクがあるため、慎重にリハビリを行う必要がある

② 前十字靭帯（ACL）・後十字靭帯（PCL）の再建手術

• 正座の可否: 難しいことが多い
• 回復期間: 6〜12か月
• ポイント: 靭帯の再建には腱を移植するため、膝の伸展や屈曲に制限が生じることがある。強く曲げると移植腱に負担がかかるため、正座は推奨されないことが多い

③ 人工膝関節置換術（TKA）

• 正座の可否: ほぼ不可能
• 回復期間: 6か月〜1年
• ポイント: 人工関節の構造上、膝の可動域が制限されるため、正座ができないケースが多い

④ 骨折に伴う手術（膝蓋骨・大腿骨・脛骨骨折など）

• 正座の可否: ケースバイケース
• 回復期間: 6か月〜1年以上
• ポイント: 骨の癒合状態や固定具の影響で膝の曲がりが制限されることがある

2. 正座が難しくなる理由

① 膝の可動域制限

手術後は膝関節の可動域が制限されることが多く、膝を深く曲げることが困難になるケースが多いです。特に、膝を120°以上曲げる必要がある正座はハードルが高いとされています。

② 関節の硬さ（拘縮）

手術後は炎症や長期間の固定により、**関節包や筋肉、腱が硬くなる（関節拘縮）**ことがあり、深く曲げるのが難しくなります。

③ 痛みや違和感

術後の関節内部の変化により、正座時に痛みや違和感を感じることがあります。無理に行うと関節に負担をかけ、痛みが悪化するリスクもあります。

④ 人工膝関節の制限

人工膝関節を入れた場合、関節の構造上、通常の膝ほど深く曲がらないため、正座はほぼ不可能です。

3. 正座ができるようになるためのリハビリ

手術後のリハビリ次第では、ある程度の可動域を取り戻せる可能性があります。

① ストレッチと可動域訓練

• 大腿四頭筋（太ももの前側）のストレッチ
• ハムストリング（太ももの裏側）のストレッチ
• 膝関節の曲げ伸ばし運動（タオルやゴムバンドを使用）

② 筋力強化

• 大腿四頭筋の強化（レッグエクステンション）
• ハムストリングの強化（ブリッジ運動）
• 膝周囲のインナーマッスル強化（バランスボール運動）

③ 水中トレーニング

水の浮力を利用することで、関節に負担をかけずに可動域を広げるトレーニングが可能です。

④ 徐々に正座の動作に慣れる

最初は膝の下にクッションを置くなどして、軽度な負荷から正座の姿勢に慣れていくことが重要です。

4. 体験談：交通事故後に正座ができるようになった人の例

🔹 40代男性（会社員） 「バイク事故で前十字靭帯を損傷し、再建手術を受けました。術後は膝が90°までしか曲がらず、正座は無理かと思いましたが、半年間のリハビリで120°まで回復し、座布団を敷けば短時間なら正座できるようになりました。」

🔹 50代女性（主婦） 「交通事故で膝の骨折をし、プレート固定術を受けました。手術後は膝が硬く、しゃがむことすら難しかったですが、水中リハビリを続けた結果、1年後には正座も可能になりました。」

5. まとめ

• 手術の種類によって、正座の可否が異なる
  • 半月板損傷・靭帯損傷の場合は可能性あり
  • 人工膝関節の場合はほぼ不可能
• リハビリ次第である程度の可動域は取り戻せる
• 完全な正座が難しくても、代替手段（座布団使用など）で対応可能
• 痛みや負担を考慮し、無理のない範囲でリハビリを行うことが重要

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